言っていることとやっていることが違う



こんにちは、

精神科医の諸藤えみりです。



今日は入院病棟で

わたしが思ったことです。


病棟で最近入院された

女性の方から

話しかけられました。

(特定されないよう配慮しています。)

お話するのは数年ぶりです。



「先生お久しぶり。」から始まり、

・最近の状況

・なぜ入院したのか

・夫の愚痴

の話題になりました。



特に夫については

数年前から言ってることが

変わっていません。


「夫と離れたい。でもお金がない。」


うんうんと私は頷きます。

金銭的な問題で

自立が難しいのは分かります。



で、次の話題が

「最近○○のブランドのバッグに

ハマっている。

5つも買ってしまった。」

でした。



わたしは思いました。

「あれ?この方、

本気でご主人と

離れたいと思ってないんだな。」





このブランドのバッグは

1つ1万円以上します。

5つ買ったら5万円以上します。



本気で夫と離れたいのであれば、

この5万円は使わず貯金します。


買ったとしても1つにします。

5つは買いません。



自立することを1番の目標として

他を我慢する。

それが本気だと思うんです。


でも、そうではない。




違うところにお金を使いながら

「夫から離れられない。」

と言う。



離れられなくても仕方がない

と、わたしは思ってしまいます。





そこまで考えて

「いや待てよ。

本当は変わりたくないのかも

しれない。」

とも思いました。



もう何十年も続けている夫との生活。

環境が大きく変わるのは

ストレスです。


嫌だと言いつつ

同じ状況を選択しているのかも

しれません。



どちらにしろ

言っていることと

やっていることが違う。




わたしは

「そうなんですね。」

としか言えませんでした。


「バッグを買ってる場合

じゃないですよ。

旦那さんと離れたいのなら、

お金を貯めた方がいい。」

とは言えなかったです。



この方は愚痴を

聞いてほしいだけかもしれません。



今の生活を続ける。

もしくは

一念発起してお金を貯め自立する。


彼女がどちらを選択しても

わたしは肯定します。



どちらがいいのかは分からない。

彼女が決めた方が正解。




もし

彼女が本気で自立を決意し

どうしたらいいのかを聞かれたら、

わたしの考えを

お伝えようと思います。




精神科医 諸藤(モロフジ)えみりの心のレッスン

精神科医のわたしが日々の思ったこと、感じたことを書いています。

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