信じるということ



こんにちは、

ドクターかよです。



不登校のお子さんを持つ

お母さんの言葉が

うなるくらい良かったので、

忘れないようにメモ。





不登校のお子さんが

カウンセリングに来られています。



この方、

驚くくらい元気になりました。


夜間定時制の学校に転入し、

登校できるようになった。

友人ができた。

アルバイトも始めた。

バイクの免許も取った。


100点満点以上です。



もちろん最初はそんなことはなく、

しんどい時期が

ずっと続いていました。



私はお母さんに


「良かったですね〜。」

と言いながら、


「お子さんがしんどいとき、

お母さんは家で

どのような対応を

されていたのですか?」


と、何気なく聞いてみました。




すると、お母さんは


「うちの子、

気分が落ちたら

すぐに分かるんですよ。


そのときに話しかけたら

後で

『話しかけられたのに

ちゃんと返事できなかった。』

と自分を責めるんです。


なので

そっとしておきました。


放置ではないですよ。

『あなたを信頼してるよ。』

の気持ちからです。


気持ちも言わないと伝わらないので、

『信頼している。』

『愛している。』

を心から伝えていました。」




私は聞きます。


「その『信頼する』が

できないお母さんが多いんですよね。


子供が不登校になると

パニックになるお母さんが大多数。


どうしてお母さんはそこまで

お子さんを信頼できたのですか?」




お母さん


「どうして?

考えたことなかったな。


うーん、1つは、

生きていてくれさえすれば

どうとでもなると

思っているからでしょうか。


死ぬことに比べたら

学校に行けないことなんて

大したことではないです。


生きていれば

何か好きなことが見つかって

道が拓けるかもしれない。


まだ若いし、

何とでもなると

思ってるからですね。」



私は更に

お母さんに投げかけます。


「『生きていればいい。』

ここまで子供に対する期待を下げれる

お母さんは少ないんです。


学校に行ってほしい。

勉強ができてほしい。

いい会社に就職してほしい。


期待が高いんです。


でも、

お母さんはそういうのを

ぜんぶ取っ払っている。


なんで

期待を下げれたんですか?」



お母さん

「え?何でだろうな。」


「尋問みたいになって

ごめんなさいね笑」




お母さんは笑いながら言います。


「勉強ができるかどうかより、

生き抜く力を

身につけてほしいからですかね。


たとえば、

どこかに就職して

自分に合わなかったとします。


泣き寝入りをするのではなく、

転職するなり

起業するなり

人生を切り開いてほしいです。


じゃないと私、

心配で成仏できません笑


あと、

私は子どもを

自分のものだと考えてないです。


出産は言わば親の都合。

私の場合

離婚もしている。


離婚が子供に与えた影響は

大きいです。


さらに私の期待まで

子どもに背負わせられませんよ。」





お母さんの達観っぷり、

すごくないですか?



このお母さん、

お子さんが不登校になったときも

理由を聞かなかったんですって。


「聞いたらストレスかなと思って。

親に言いたくないことも

あるでしょう。」

だそうです。



もし私に子供がいて

不登校になったら理由を聞きますよ。


言うまで

しつこく尋問するかもしれない笑






どうしてここまで

成熟されているのかを聞くと、

お母さんは

実の親から心ない言葉を投げられて

育ったからだそうです。


「自分はこうならない!」

と、反面教師にしたとのこと。



幼少期に傷ついたからこそ、

自分の子供には愛で接している。


素敵だなぁ。




お子さんも

お母さんが信じてくれているから

元気になったと思うんですよね。


「お母さんだけは

何があっても

自分の味方になってくれる。」

と、お子さんは思っていたようです。



負の連鎖を止めた

母の愛は強い。



素敵な親子から

元気をもらいました☀️






精神科医 諸藤(モロフジ)えみりの心のレッスン

精神科医のわたしが日々の思ったこと、感じたことを書いています。

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