「頑張る」について



こんにちは、

ドクターかよです。



昨日Threadsで

「診察していると

本人は頑張りたいのにご家族が

『そんなにしんどいこと

しなくていいんじゃない?』

と止めるパターンを見る。


頑張るところと

頑張ってはいけないところの

見極めが大切。」

と言いました。



反響があったので

「頑張る」

について

掘り下げたいと思います。



結論から言うと

「頑張るには本人のやる気と

周りの理解が必要ですよ。」

というお話です。





まずは

頑張ってはいけないとき。



頑張ることで

不利益が生じるときです。



たとえば

うつ病の方です。



うつ病になる方は

真面目な方が多いです。



心身ともにボロボロなのに

まだ働き続けようとします。



これは

頑張ってはいけないところです。



たとえ本人が

「働きたい!!」

と言っても私は止めます。





では

頑張るべきときはいつか。



本人にやる気があり

頑張ることで

プラスになるときです。



最近の例でいうと

双極性障害の高校生がいます。



双極性障害は

気分が高くなったり(躁状態)

落ち込んだり(うつ状態)

変動する疾患です。



症状が落ち着いていないときに

高校卒業に

必要な試験がありました。



本人は

「高校を卒業したい。」

と言います。



私は

「だったら頑張りましょう。

ここは踏ん張りどころです。」

と伝えました。



家族のサポートもあり、

彼は歯を食いしばって

試験を受け

無事クリアしました。



「頑張ってよかった。」

と本人、ご家族ともに喜んでいました。





反対に、

頑張るべきときに

ご家族が

ストップをかけるケースがあります。



ご家族が

「無理をしてまた症状が

悪くなったらどうしよう。」

と心配して止めるのです。



不安から先回りして

「頑張らなくていいよ。」

と言ってしまう。



先ほどの高校生で例えると、

ご家族が

「高校卒業できなくても

いいんじゃない?

ほかにも道はあるよ。

ゆっくりやろうよ。」

と言うパターンです。



本人にやる気がないのなら

それでもかまいません。

問題は

本人が頑張りたいときです。



ストップをかけられた結果、

本人は

頑張っていいのか

頑張ったらいけないのか

分からなくなります。



せっかくやる気になっているのに、

本人の主体性を奪うのは

もったいないなと思います。





頑張りたいときは


・何を頑張りたいのか。

(本人にとって

メリットかデメリットかを判断。)

・〇〇の症状が出たら

一旦休憩する。

・もし症状が悪くなったら

どうするか。


などを共有すると

本人とご家族が安心して取り組めます。



それでもどうしたらいいのか

分からない場合は

主治医の先生など

第三者に冷静な意見を聞くことを

オススメします。



客観的な視点が入ることで

自分の状況を知れるからです。





反対に

・特にやりたいこともない

・頑張れない

という方は

ゆっくり休みましょう。



こう言うと

「ゆっくりするって何?」

「休んでいいのかな?」

と言われそうです。



言い方を変えます。


このような方の頑張ることは

今日1日をやり過ごすことです。

それだけで十分です。



毎日をやり過ごすうちに

「あ、あれやりたい。」

「これに挑戦したい。」

が出てきたら、

そのときは思う存分

頑張ればいいと思います。







精神科医 諸藤(モロフジ)えみりの心のレッスン

精神科医のわたしが日々の思ったこと、感じたことを書いています。

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