卒業おめでとう
こんにちは、
精神科医の諸藤えみりです。
わたしの外来に
毎月来てくださる
高校生がいます。
(特定されないよう配慮しています。)
毎月来てくれていた彼女が
今月で
外来から卒業します。
とても嬉しいことだけど
ちょっと淋しい。
まるで
お姉ちゃんのような気持ち。
彼女は
抑圧的なご両親の元で
育ったため、
自分の気持ちを言うことが
できませんでした。
気持ちを言葉で表現できず
自分の体を傷つけて
ストレス発散をしていました。
そこを少しずつほどいていく。
「なんで
わたしの言う通りにしないの?」
「自分を傷つけちゃダメって
言ったでしょ!」
と言いたくなるのを
グッと堪える日々でした。
背中を見せて
逃げ出したくなることもありました。
でも、
彼女はいい方向に化けた。
私の予想を大きく裏切って
内面が成長した。
時間をかけて
彼女は、
「わたしは~したい。」
という気持ちを取り戻しました。
自分の気持ちを
言えるようになっただけでは
ありません。
嫌なことを嫌と言え、
自分を守れるようになりました。
逃げずに
彼女と向き合った自分も
褒めたいです。
わたしの医者人生で
一生記憶に残る方だと思う。
彼女から患者さんを
信頼する心を
学ばせていだたきました。
彼女のこれからの人生
嬉しいこと、
楽しいこと、
悲しいこと、
辛いこと、
たくさんある。
でも、大丈夫だと思う。
わたしは彼女を信頼する。
「困ったらまたおいで。」
って言ってるし。
ひとまず、
卒業おめでとう。
あなたのこれらからの人生が
素晴らしいものになりますように。
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