時間がかかることを許容する
こんにちは、
精神科医の諸藤えみりです。
わたしは
「手っ取り早く結果を出したい。」
と、ずっと思っていました。
本屋さんに行っても
「あっという間に!」
「◯◯するだけ!」
のキャッチフレーズが並んでいます。
分からないことがあっても
スマホで調べれば
すぐに答えは出ます。
どれだけ
時短で手軽にできるか。
時間の流れが速いですね。
わたしは時間をかけることが
苦手です。
すぐに結果を出さないと
いけないと思うのです。
結果が出ないと
才能がないと思って諦める。
そんなわたしの話です。
わたしは以前、
イラストを描いていました。
でも
上手くならなくて
描くのをやめてしまいました。
そんなとき、
神絵師のインタビューを読みました。
(神絵師:オタク用語。
たくさんのファンから尊敬され、
羨望される絵描きさん)
神絵師さんは言います。
「朝も昼も夜もずっと描きました。
だから描けるようになりました。」
彼の過去の絵を見ると
最初は上手くない。
少しずつ少しずつ上手くなっている。
時間をかけて上達している。
わたしは一息に
その域に達そうとしていました。
手っ取り早く結果がほしくて
高額な通信教材を買いました。
ぜんぜん
上手くなりませんでした。
時間がかかることを
良しとしないのです。
何かを成そうとすると
時間がかかります。
わたしはイラストに関して
圧倒的に時間が足りませんでした。
時間をかけるということは
結果が出るまで耐える、
ということでもあります。
自分のできることをして
ただ耐える。
描いても描いても
自分の求めるレベルには及びません。
無力感、
自分への失望が出てきます。
向き合わないといけません。
苦しい。
この苦しみを
味わいたくなくて、
わたしは挫折してしまいました。
ちょっとずつ上手くなる喜びを
味わえば良かった。
最近は
上手い下手関係なく、
イラストを見ると胸が疼く。
わたしも描きたい
描きたくない
上手くなりたい
上手くならない
楽しい気持ちで他人のイラストを
見たいから、
妬みたくないから、
わたしもデッサンを再開した。
でも
仕事もあるから
イラストに費やせる時間は
少ない。
相変わらず下手。
それでも、
描くのをやめたときよりも
清々しい気持ち。
時間をかけて上達したい。
過程を楽しみたい。
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