コーヒーの指導をしてみたら
こんにちは、
精神科医の諸藤えみりです。
気持ちが落ち込んでいる方が
外来に来られました。
出された薬は内服している。
でも、体が重い。しんどい。
嗜好品について聞いてみました。
「コーヒーを毎日
1リットル以上飲んでます。
10杯近く飲んでるかなあ。」
え?!
多くないですか?
と、わたしは驚きました。
飲むタイミングを聞くと、
「うーん、特にないですね。
なんとなく。習慣です。
強いて言うなら、
気持ちが落ち込んだときに
テンションを上げようとして
飲んでました。」
コーヒーには
カフェインが多く入っています。
カフェインは過剰摂取すると
中枢神経系の刺激によるめまい、
心拍数の増加、興奮、
不安、震え、不眠症、
下痢、吐き気
などの健康被害をもたらします。
カナダ保健省によると、
「1日に摂取していいカフェインは
健康な成人は最大400 mg/日
(コーヒーをマグカップ(237 ml入り)で
約3杯まで)」
とされています。
この方は
はるかにオーバーしていました。
コーヒーを減らすことにしました。
急にやめると
離脱症状(頭痛や倦怠感など)
が出るので、
少しずつ減らします。
2週間後の再診。
「ちょっと楽になりました。」
のお返事をもらえました。
この方にとって
カフェインを摂るということは、
疲れた体に
鞭を打って頑張らせるということ。
カフェインを減らす。
つまり、
無理やり
頑張らせるのをやめる。
そしたら楽になったようです。
コーヒーがうつ病の予防になるという
論文は数多くあります。
(Ruusunen et al., 2010など)
しかし、
大量(400~500 mg 以上)の
カフェインは、
不安障害患者だけでなく、
健常者でも不安を誘発することが
知られています。
(Nawrot et al., 2003; など)
日本人はカフェインが苦手である
データもあり、
気持ちが落ち込んでいる方や
不安が強い方は
・コーヒーを減らす
・やめる
ことをおすすめしています。
自分の体と相談しながら
上手く付き合っていきたいですね♪
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