自分を責める
こんにちは、
精神科医の諸藤えみりです。
今日は
「自分を責めてもいいよね。」
って話です。
外来をしていると
「自分はダメだ。」
と、自分を責めている方が
多いなと感じます。
今の状況から
良くなりたい気持ちはある。
それ以上に自分を責めている。
言うならば
アクセルとブレーキを一緒に
踏んでいる状況です。
ブレーキを弱めることはできないか
と考えていました。
上司は
目の前の方が自分を責めているとき、
どうやって自分責めを減らす
アドバイスをするんだろう。
聞いてみました。
わたしの質問を受け、
上司は考えます。
「そもそも
自分を責めてもいいんじゃない?」
わたしは仰天し、反論します。
「自分を責めるから苦しい。
現状が動かない。
自分責めを無くしたほうが
楽になるのではないのでしょうか。
あ、でも、
変わりたくないから、
自分を責めることで
前に進まないように
しているのかもしれません。」
上司は言います。
「うん、そうだよね。
僕は
自分を責めることで
『社会に
適合しようとしてるんだな。』
と思うようにしてる。
だって、
自分を責めるということは、
踏みとどまるということ。
もし自責感がなかったら、
社会に不利益なことを起こしたり、
自分で自分をこの世から
消してしまうかもしれない。
自責感って、
ある意味ストッパー。
先生のところに来てくれている人は、
今ちょっと疲れて
お休みしたい人だと思うの。
その方を小枝に止まっている鳥だと
考えてみて。
飛び立っても、
次に止まる小枝が
見つからないかもしれない。
または、
もっと悪い小枝に着地
するかもしれない。
そう思って
今は休んでるだけ。
悪いことではないと思うな。」
うぐぐぐぐぐ、なわたし笑
・何とか目の前の人の自分責めを
減らしたい。
・自分を責めてはいけない。
と、考えていました。
昨日のブログで
「患者さんを何とかしない!」
と、言ったところなのに。
もしまた自分を責めている人が
目の前に現れたら、
自分責めをやめさせようと
するのではなく
「この方は自分を責めることで
今はお休みしてるんだな。」
と受容できそうです。
相手を変えないということ。
いつかまた歩き出せる日が来る。
そう思って目の前の方を
見つめようと思います。
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