わたしが口酸っぱく鉄分を摂れという理由



こんにちは、

精神科医の諸藤えみりです。



わたしは外来に

来てくださる女性に

血液検査をしています。


チェックする項目は

貧血。



なぜなら、

貧血が起こると


・酸素を送る

・体を動かすエネルギーを作る

・セロトニン、ドーパミン、

ノルアドレナリンなど

神経伝達物質の合成する


 など、体内のさまざまな経路で

支障が出るからです。





貧血は

血液中の赤血球に含まれる

ヘモグロビン(Hb)という物質が

少なくなった状態です。



ヘモグロビン(Hb)は

鉄を含む「ヘム」という色素と

たんぱく質が結合(ヘムたんぱく質)

してできています。



体内に含まれる鉄が減すると、

ヘモグロビン(Hb)も減ります。



血液中のヘモグロビン(Hb)は、

酸素を全身に送る働きをしています。





なので、

ヘモグロビン(Hb)が減ると

酸素を運搬する能力が低下します。



結果

易疲労感(疲れやすい)、

頭痛、めまい、息切れなどの

症状が出ます。





また、鉄は

体内のあらゆる代謝で

利用されます。



ATP(アデノシン三リン酸)を

使って生命エネルギーを作るときも

鉄が必要です。



鉄が不足すると

十分なエネルギーが作れません。

やはり疲れやすくなります。





また、神経伝達物質である

セロトニン、ドーパミン、

ノルアドレナリンの合成にも

鉄が必要です。



これらの神経伝達物質は

メンタルの安定に非常に重要です。


鉄分が不足すると

メンタルへ影響も出てしまうのです。





国民健康・栄養調査によれば、

20~49 歳女性の

ヘモグロビン濃度の

 25 パーセンタイル値は

約 12 g/dL です。



WHO による

一般成人女性の貧血の基準である

ヘモグロビン濃度(12 g/dL 未満)を

適用すると、

日本の成人女性の4人に1人は

貧血状態にあると言えます。


(厚生労働省

「日本人の食事摂取基準」

策定検討会報告書

日本人の食事摂取基準 2010 年版)




ちなみに

わたしの去年の血液検査で

ヘモグロビン濃度は

13.6 g/dLでした。



外来に来られる女性たちは

12 g/dLに一歩届かない人が

多い印象です。





女性は生理があるため、

定期的な出血で鉄が不足します。



また、

妊娠・出産、

ダイエットや偏食でも

貧血になりやすいです。





血液検査で貧血傾向の方に

わたしは上記症状を説明し、

さらに以下の内容も伝えています。


「わたしたち女子は、

いつもでも若く可愛く

いたいじゃないですか。


コラーゲンって聞いたことあります?

そう、お肌に大切な

コラーゲンです。


コラーゲンって

おもにビタミンCと鉄と

タンパク質でできてるんです。


お肌のためにも

『鉄分を摂ろう!』

ってなりませんか?」



わたしが力説すると、

たいていの方は

「お、おぅ…、、、」

と、納得してくれます。



じゃあ、

「鉄分を摂るって

どうしたらいいの?」

と、なりますよね。



続きはまた明日!





精神科医 諸藤(モロフジ)えみりの心のレッスン

精神科医のわたしが日々の思ったこと、感じたことを書いています。

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