人より恵まれていると申し訳なくなる
こんにちは、
精神科医の諸藤えみりです。
わたしは人より恵まれていると、
優越感どころか
申し訳ない気持ちになります。
たとえばです。
わたしは医師なので
病院の中でお給料が高いです。
責任など背負っているものが
大きいので
金額の差が出るのかもしれません。
しかし、
あくせく働いている
スタッフさんたちを見ると、
「高いお給料をもらって
すみません。」
の気持ちが出てきます。
『人より恵まれると嫌われる』
の思い込みが
わたしの中にあるのかもしれません。
また、
『お金がないと幸せになれない』
と思っているのかな、
とも考えました。
「今まで努力してきたんだから
もらって当然」
の気持ちにはなれそうにないです。
もちろん
わたしよりはるかに恵まれた人が
世の中には多々いることも
分かってます。
でも、この
「申し訳ない。」
の気持ちが出てくるのは
なぜなのだろう。
お金、健康、外見など、
不平等を感じる世の中で
どのような心持ちでいたら
いいのだろう。
答えが出なくて
恩師の意見を聞いてみました。
恩師は言います。
「まずお給料の件で言うと、
『お給料が少ないのは可哀想。』
『貧乏は良くない。』
という思い込みがあるよね。
貧乏って本当に
よくないのかな?
僕も大昔、
億を超える
借金をしたことがあるよ。
でも
完済した。
完済した自分に自信を持てた。
貧乏な体験から学ぶ人もいるの。
芸能人で言えばアンミカさん。
アンミカさんって
幼少期は物凄く貧乏だったの。
『あまりにも悲惨だったから、
何かしらいいところを見つけないと
やっていけなかった。』
と言われていた。
この経験が
今のお仕事の役に立っている。
彼女、褒めるの得意でしょう。
それでね、
僕は生まれ変わりを信じてる。
なんで生まれ変わるのかと言うと
色んな体験をしたいから。
お金持ちの体験、
貧乏な体験、
健康な体験、
病気の体験。
体験に良し悪しはないの。
だから、
目の前の人に対して
『申し訳ない』
『可哀想』
の気持ちが出てきたら
『この人は今世、
◯◯の体験をしているんだな。』
と見たらいいよ。
僕はこの考え方をするようになって
楽になった。
どんな経験も貴重なの。」
わたしはこれまで
社会の不平等さを
どう扱ったらいいのか
分からなかった。
だから、
自分が恵まれていると
『他の人は苦しんでいるのに
わたしだけ楽していいのかな?』
と感じていた。
恩師の考えを
100%理解したわけではない。
でも、腑に落ちた。
感情を挟まず
「目の前の人は
ただ必要な経験をしているだけ。」
と見つめると、
相手に対して
「申し訳ない。」
とは思わなくなった。
謙虚さを忘れず
フラットな視点で相手を見る。
そこはたぶん、
いい悪いを抜けた公平な世界。
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