「~すべき」から「~してもいいし、しなくてもいい」へ
こんにちは、
精神科医の諸藤えみりです。
「〜すべき」
と思うときはありませんか?
そんなときはストップです。
なぜなら
「〜すべき」
は心の空虚感を
埋めるための行為だからです。
たとえばです。
うつ病で
わたしの外来を訪れる方は
仕事熱心な方が多いです。
しかし、
この仕事熱心は
仕事が好きで働いているのでは
ありません。
「働くべき」
で働いています。
・何かしていないと落ち着かない
・働かないと自分の存在意義がない
・このままでいいのか分からない
これらの気持ちを
感じたくなくて働いているのです。
心にぽっかり開いた穴を
埋めるために働きますが、
穴は塞がりません。
なぜなら
欠乏感や焦りに駆られて
働いているからです。
心の安定を保つために働く場合、
「〜すべき」
になります。
しかし、
その根底には不安があります。
不安からの行動で
安心することはありません。
・結婚すべき
・出産すべき
・嫁とはこうあるべき
・母とはこうあるべき
世の中にはべきが溢れています。
しかし、
『~べき。』
となると苦しいです。
選択肢が1つしかない状態です。
選択肢は
たくさんある方がいい。
『〜してもいいし、
しなくてもいい。』
これだと選択肢は2つになります。
もし何かアイディアが浮かんだら
選択肢が
3つになるかもしれません。
心のゆとりが生まれますね。
上記の人の場合
『働いてもいいし、
力を抜いてもいい。』
になると、
グッと楽になります。
切迫感が減ります。
もし、
「〜すべき」
に駆られた場合、
不安からの行動だと気づく。
気づくことが大切です。
わたしは
『子供を産むべき』
によく苛まれます。
絶対に子供が欲しいわけではない。
なのに、
『べき』に当てはめて
出産していない自分を
責めてしまう。
こんなときは
「あ、また『べき』になってる。」
と気づきます。
『産んでもいいし、
産まなくてもいい。』
に戻して、
終わり。
『べき。』から行動しない。
わたしも修行中です。
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