わたしはあなたのお母さんじゃない!~信頼と依存は紙一重~
こんにちは、
精神科医の諸藤えみりです。
今日はわたしのボヤキ。
完全な愚痴です。
「信頼と依存は違うよね。」
って話です。
外来に
半年前から来られている方がいます。
必ず2週に1度
受診されています。
患者さんが不安を訴える。
わたしは傾聴し
不安をほぐす。
この工程が毎回続いていました。
だいぶ落ち着いたし、
そろそろ受診感覚を開けたいなと
なんとなーく考えていました。
で、このGWです。
祝日があると、
その日の外来患者さんが
後ろの週にずれ込むので
予約がパンパンになります。
この方に
「予約が取れないので、
3週間後でもいいですか?」
と聞くと、
「えっ?!
〇〇曜日でも私は行けます。
2週間後に入れないんですか?」
と、言われました。
〇〇曜日は
わたしの外来日ではないので、
丁重に
お断りさせていただきました。
3週間後に予約は取ったものの、
不安そう。
うーーーーーーむ、
これはよくない兆候だぞ。
わたしを信頼してくださるのは
有難い。
でも、
依存するのは違います。
わたしが一生
サポートするわけにはいかない。
自分の足で立たないといけない。
いずれ病院を卒業してほしい。
わたしが悪の組織の一員なら、
依存させてズブズブの関係に
させることもできる。
でも
そんなの求めてないしなぁ…
自立してほしい。
『わたし自身が
原因でもあるのかな。』
と、反省しました。
信頼関係を結ぶのは治療のうえで
大切ですが、
依存させてはいけません。
「この人の言うことを聞いていれば
大丈夫。」
となると危うい。
自分で考えることが大切です。
その方に考えてもらわず、
わたしがすぐアドバイスをしたのも
よくなかったのかもしれません。
うーーーーーーむ。
自分の足で立てるようになるまでは
しっかり寄り添うけれど、
いずれ手を離す。
自転車と同じですね。
いつまでも補助は必要ないです。
信頼と依存の塩梅を見ながら
診療をしないといけないなと
感じた日でした。
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