誰もあなたに真面目さを求めていない

こんにちは、

精神科医の諸藤えみりです。

今日から5月ですね。

天気がよく、

気持ちのいい1日でした。

こんな日は

心も穏やかになります。

帰りに

お気に入りのベーグルを

買いました🥯

さて、

今日は外来での一幕を

ご紹介します。

「誰もあなたに

真面目さを求めていない。」

というお話です。

「真面目さを

期待されている。」

と、思い込んでいる人がいます。

なぜか。

小さい頃、

親があなたに真面目さを

望んだからです。

外来に

主婦の方が来られました。

(特定されないよう配慮しています。)

家事と子育てで

慌ただしく1日が過ぎていきます。

お話を聞くと、

完璧に家事をこなしているようです。

幸せなはずなのに

怒りが出るとのことでした。

「掃除、料理、洗濯、子育て、

すべてやっています。

料理もいつも作っています。

お惣菜は買いません。

余裕がなくて、

つい子供に辛く

当たってしまいます。

『わたしはこんなに

頑張ってるんだから

言うことを聞いて！』

と、怒ってしまいます。」

可能な限り料理をサボりたいわたしは

目を剝きました。

「いつも作ってるんですか？

旦那さんにお惣菜は嫌だって

言われてるんですか？」

「…………………

あれ？そういや、

言われたことないです。」

どうやら、

「手料理であるべき！」

と思い込んでいたようです。

わたしは言います。

「たまにはお惣菜や外食も

いいと思いますよ。

お子さんは大喜びしますよ。

あれやらなきゃ

これもやらなきゃと

ピリピリしているお母さんより、

笑っているお母さんの方が

ご家族みんな嬉しいと思います。

空いた時間で

やりたいことしてはどうですか？

何かあります？」

「やりたいこと…

何でしょうか。

目の前のことに追われて

考えたことがなかったです。

ゆっくりしたい。

でも、ゆっくりしたら

ダメだと思っていました。

『働かなければ』

と、思っていました。」

周囲の人が何も禁止してないのに、

勝手に禁止されていると

感じる方がいます。

お話を聞く限り、

旦那さんも

好きなことをしたらいいと

思っている様子。

でも

この方は

自分のやりたいことをしない。

真面目であることを

期待されていると感じ、

期待に応えようとするのです。

周囲が期待しているのは、

その方が

したいことをすることです。

笑顔でいることです。

なのに

周囲の期待を勝手に誤解し

「わたしは

こんなに頑張ってるのに！」

と、怒る。

このような方の場合、

小さい頃の体験が影響しています。

周囲の大人(親)が

子どもに真面目であることを望む。

子どもはそのように振る舞う。

大人になっても、

小さい頃に

求められたように振る舞います。

大人になった今、

周囲が真面目さを

自分に期待しているとは

限らないのに。

親が与える影響は甚大です。

でも、

わたしたちはもう大人。

親から求められたものを

1つずつ置いていきましょう。

精神的な自立をしましょう。

誤った周囲の期待、

つまり、

親の期待に応える必要はないですよ。