踏ん張り次第で道は開ける



こんにちは、

精神科医の諸藤えみりです。



不登校や休職している方が

社会復帰するとき、

復帰場所の環境が

どうしても大きく影響します。



「たとえ

自分に合わない環境だったとしても、

工夫することで

適応できるかもしれませんよ。」

というお話をします。




患者さんが社会復帰される際、

私は

・そもそも仕事に復帰するだけの

体力があるのか。

・仕事内容がその人に合っているか。

・人間関係はどうか。

・復帰後、頑張りすぎて

空回りしていないか。

などを総合的に判断しています。



社会復帰で

私が毎回

口酸っぱく言っていることは、

「最初は頑張ってはいけません。」

ということです。


最初にフルスロットルで働くと

すぐに疲れます。

最初は

60 %くらいの力で働くよう

助言しています。


ただでさえ

新しい環境で緊張しているのに、

いきなり100 %の力を出すと

周りが見えなくなります。


力を抜く。

視点を広げる。


これも

復帰の成功の秘訣かなと

考えています。





これらを踏まえて、

復帰場所の環境が良かったケースを

ご紹介します。


外来に

うつ病の方がいらっしゃいます。


しばらく休み、

パートとして

新しい職場で働き始めました。


職場の方々が皆優しく、

大切にしてくださるようなのです。

やる気も出て

正社員を目指すと

言われていました。


やはり

「人」なんだなと思いました。




スムーズに復帰できた方々の

お話を聞くと、

皆さん

「職場の人がみんないい人たちで。」

と言われます。


人の優しさにふれると、

傷ついていても

もう一度人を信じられます。


少し大変なことがあっても

耐えられるのです。



反対に、

条件がいい職場を

復帰場所に選んだものの、

仕事内容や

人間関係がうまくいかず

辞めてしまう方もいます。


自信を失いますし、

辞めることを繰り返すと、

働く意欲を失い

引きこもりがちになる方も

いらっしゃいます。




どの職場で社会復帰するか、

その復帰場所が自分に合うか、

こればかりは

蓋を開けてみないと分かりません。

どうしても運が影響します。



いい職場ならラッキー。

もし自分に合わない職場

だったとしても、

すぐに諦めないでほしいです。


なぜなら

うまくいかないときこそ

振り返りが大切だからです。



「仕事の何に困っているのか」

「どうであったら続けられるか」


これらを具体的に考え

工夫することで、

職場に適応できることはあります。



どうしても苦手な人がいる部署には

配属しないようにしてもらう、

仕事内容が合っている部署に

配属してもらう、

働く時間を検討してもらう、

などです。




うまくいかないときに

「合わない。」

「嫌だ。」

の感情だけで

判断してほしくないのです。



やれることをやる。

手を尽くす。

それでもダメなら辞める。

次を探す。



すぐに辞めた人より、

試行錯誤したうえで辞めた人の方が

次に繋がりやすいです。



振り返りをしているので、

自分の向き不向きを

知っているからです。




自分じゃどうにもならない

職場ガチャは

あるかもしれません。

でも、

踏ん張り次第で道は開けます。




精神科医 諸藤(モロフジ)えみりの心のレッスン

精神科医のわたしが日々の思ったこと、感じたことを書いています。

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