心のゆとりとは(ちょっとした話)
こんにちは、
精神科医の諸藤えみりです。
この前お洋服の
セレクトショップに行きました。
たまたまメンズブランドの
デザイナーの方が
いらっしゃったんです。
少しお話をして
興味深かったので、
忘れないようにメモ。
このデザイナーの方は
お洋服の生地に
物凄く情熱をかけていました。
他のブランドは真似できない
染色や糸の縫い方、
カッティング、ボタンの位置など、
自分のこだわりを
貫き通してました。
「好き」があふれてて
凄くいいなと思いました。
この方はどうやら
人とお洋服が被るのが嫌らしく、
自分がデザインしたお洋服を着た人を
3人見たら萎えるのだそう。
(もうここで既に爆笑。
わたしだったら嬉しいけど笑)
当たり前だけど、
オートクチュールでない限り
服を買うということは
既製品を買うことなんですよね。
必ずどこかで人と被る。
でも、その方は
「自分の服は着れば着るほど
皺ができたり色褪せしたり
するようになっている。
あえて味が出るようにしている。」
と言われていました。
「着る人によるから
どんな変化が出るのかは
分からない。」
「買ってくれた人だけの
オリジナルになるように
服を作っている。」
とも言われていて。
わたしは
感銘を受けたのですね。
この世界だけで私だけ。
なんて甘美な響き。
着心地にも細心の注意を払っていて、
例えばシャツ。
「袖が長いデザインなので、
腕まくりをすると考えて
腕周りに少し
ゆとりを持たせている。」
とも言われていました。
この方は
「正直に言うと、
洋服だとユニクロのヒートテックが
1番元を取れると思います。
高い服を買っても
着なかったら
意味がないじゃないですか。
だから自分は
いっぱい着れるいい服を作ります。
正直自分の服は安くはありません。
でも、
そんな服をたくさん着る。
さらに言うと
そんな服をぞんざいに扱う。
それって心のゆとりです。」
と言われていて、
わたしは「なるほど…!!」と
唸りました。
心にゆとりがないと
服なんてどうでも良くなるし、
ましてやオシャレなんてしない。
わたしにとって
好きな服を着るということは
心のゆとり、
つまり幸せなことでした。
「心のゆとり」
というワードにビビっと来たので、
その方に
「普段心のゆとりを
どんな時に感じるのですか?」
と聞いてみました。
そしたら、
「自分、
いつもゆとりがないので
ゆとりに憧れてます。
なので、
その憧れを服で表現しました。
自分の服は着た時に
ゆとりがあるように
デザインしています。
もし自分の心にゆとりがあったら、
ピッチピチの服を
作っていたかもしれません。」
とまさかまさかの回答で
そこでも爆笑。
人によって
心のゆとりの定義は違っていいし、
違っているから面白い。
と思った何てことない
わたしの日常の一コマでした。
オマケ
わたしは物を
「誰から買うか。」
も大事だと考えています。
作り手の顔が見えるのは
とてもいいことだなと思いました。
この方は
メンズのお洋服しか
作ってないんですけど、
もしレディースのお洋服があったら
買っちゃってたかもしれない!笑
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