体の病気はいいけれど、心の病気は許されない



こんにちは、

精神科医の諸藤えみりです。




わたしは

休職したことがあります。

診断名は適応障害。


心の病気じゃなくて

体の病気だったらいいのに、

と心底思いました。



誰でも分かって、納得してくれる

体の病気。


「仕方ないよね。」

って言ってほしかったのです。



心の病気だとバレたくない。

「あの子、メンタルで休んだって。」

と言われたくない。


変な目で見られたくない。



体の病気だったら許されるけれど、

心の病気だと許されない。


自分で自分を恥だと思う。





外来で過去のわたしと

同じことを言う方がいます。



「体の病気が良かった。

体の病気は分かりやすい。

どうして

心の病気になってしまったんだろう。

恥ずかしい。」



今なら分かる。

心の病気は恥ずかしくなんてない。


死に物狂いで頑張ったから

心が疲れてしまっただけ。




​わたしは言いました。


「堂々としていたらいいですよ。


わたしも

過去に休職した経験があります。

あなたと同じ気持ちでした。


心の病気に偏見を持つ人は

いるかもしれない。


でもね、今の時代、

いつ誰が心の病気になっても

おかしくないですよ。


心の病気はね、

頑張った人がなるんです。

頑張りすぎたから

ちょっとお休みしてるだけなんです。


何も恥じることはないです。」


その方は驚いて

わたしの顔を見ました。





心の病気は

自分を見失っていた

わたしを止めてくれた。


心の病気は

「今の状態は間違ってるよ。」

と、教えてくれた。


わたしから

わたしへのメッセージ。



もし今、心の病気で

お休みしていてる人がいるのならば、

「自分を責めなくていいですよ。」

と伝えたい。





苦しみもいつか終わる。

必ず終わる日が来る。



今は自分を労わる。

それだけでいい。





精神科医 諸藤(モロフジ)えみりの心のレッスン

精神科医のわたしが日々の思ったこと、感じたことを書いています。

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