母のお弁当



こんにちは、

精神科医の諸藤えみりです。



実家から帰る際、

電車の中で食べなさいと

母がお弁当を作ってくれた。


食べながら

母のお弁当の歴史を思い出す。





幼稚園のころはお弁当だった。


周り友人はウインナーや

オムライスなど、

カラフルなお弁当を食べている。


それに比べてわたしは

ひじきや金平ごぼうの

渋いおかず。

お弁当も茶色い。



今ならおいしく食べるけれど

幼稚園生には正直つらい。



なかなか完食できなくて

昼休みもずっと食べてた記憶がある。


外に遊びに行く友人たち。

お昼ごはんの時間は憂鬱。




小中学校は給食でした。

遠足などの行事のときはお弁当になる。



母はお弁当に

冷凍食品を極力使わない。

食べるときには

水分が出てベチャベチャになる。


文句を言ったら

「だったらアンタが作りなさい!」

と、怒られた。


そのときは

なんで怒られたか分からなかった。





高校生のときは毎日お弁当。

母は小学校の先生で忙しかったのに、

作ってくれた。



なぜかキャラ弁にハマる母。

トトロなどの力作を披露し、

同級生たちの

度肝を抜いていた。




(↑15年以上も前の写真。画像が粗い。

よく残ってたなあ。)



久しぶりに母のお弁当を食べる。

さすがにキャラ弁ではない笑



白米の上の梅干しは必須。

卵焼きは甘め。

鮭は薄味。

ほうれん草のナムルは

母好みのごま油での味付け。


もはや隠し味でもなんでもない、

ニンニクと生姜が全面に出ている

生姜焼き。


食べながら、胸が熱くなる。





愛情って、

大袈裟なものではない。

日常の至る所に溢れている。


当たり前に思っていることも

当たり前じゃない。



母のお弁当も

いつの間にか

当たり前じゃなくなってしまった。






次会うときに

「おいしかった。ありがとう。」

と、伝えようと思う。



ちょっと照れくさい。

でも、伝える。




精神科医 諸藤(モロフジ)えみりの心のレッスン

精神科医のわたしが日々の思ったこと、感じたことを書いています。

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