新年度が怖い
こんにちは、
精神科医の諸藤えみりです。
明日から新年度が始まりますね。
新しいクラス、新しい職場、
環境が大きく変わります。
今日は
新年度に不安がある
女性のお話です。
(特定されないよう配慮しています。)
この方は
気持ちが落ち込み休職し、
去年、復職しました。
時短で仕事量も減らしての復帰です。
何とか仕事はできるものの、
いっぱいいっぱいの状況でした。
多忙な部署なので、
来年度は
もう少しゆとりのある
他部署への異動を希望していました。
が、
異動できませんでした。
しかも人員が減るらしく、
来年度から
さらに仕事が増えるそうです。
・通院していること
・今の仕事量でぎりぎりのこと
・これ以上の仕事量は
できるか分からないこと
を上司に伝えましたが、
相手にされなかったようです。
それどころか、
「あなたは優秀だから
できるできる。」
と、軽くあしらわれたそうです。
仲のいい同僚は退職した。
味方になってくれる人はいない。
仕事もこなせるか分からない。
新年度が不安でたまらないと
泣かれていました。
わたしは胸が痛くなりました。
過去の私にそっくりなのです。
地方の単科精神科病院から
大学病院に戻るときと
同じ状況です。
異動したくないと言っても
意見は通らない。
大学病院に戻ったら助教。
しかも
緩和ケアチームの
精神科トップになる。
4月の新年度が憂鬱でした。
わたしは彼女に言いました。
「わたしも過去〇〇さんと
同じような状況でした。
行きたくないのに大学病院に戻され、
重要なポストに就く。
新年度が怖くて
たまりませんでした。
実際
新年度が始まったら大変でしたが、
一言で言うと
何とかなりました。
何とかなったから
今もここで外来をしています。
なのでね、
〇〇さんも
何とかなると思ってほしいんです。
実際に働いてみて、
『もう無理!』
ってなったら
わたしに言ってください。
わたしを頼ってください。
どうするかを一緒に考えましょう。」
そう言うと
彼女は頷いてくれました。
この方のように
4月から新しい環境で
不安に思っている方が
いるかもしれません。
お伝えしたいのは
「何とかなる」ということです。
何も問題なく
上手くいくかもしれない。
逆に、
この生き方ではいけないと
立ち止まるかもしれない。
どちらにしろ
何とかなるのです。
そのとき苦しくても
振り返れば
何とかなっている。
点で見るのではなく
線で見る。
人生は
繋がっている。
不安な気持ちは脇に置いて、
ゆっくりこの週末を
過ごしてほしいです。
あなたが
少しでも安心して過ごせますように。
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