病気になることで愛を乞う方たち



こんにちは、

精神科医の諸藤えみりです。



病気になることで

他者からの同情や愛情を

乞う方がいます。


なぜか。

自分のことを

気にかけてほしいからです。




どれだけ精神療法をしても

どれだけ薬物調整をしても

良くならない方がいます。


病気の症状や痛みを訴える。



「ぜんぜん良くならない。」

「あそこが痛い。」

「しんどい。」

「めまいがする。」

ネガティブな内容ばかりを話します。



なぜこのような訴えしか

できなくなるのか。


「わたしのことを

気にかけてほしい」からです。





人は社会的動物なので

人との繋がりを求めます。



生きていくうえで、

たくさん傷ついた場合。


「もう傷つきたくない。」

という思いから

素直に愛情を

求められなくなります。



結果、

病気で

注意を引こうとする方がいます。




思い出してください。

小さい頃、

熱を出したとき

お母さんは優しかったですよね。



病気をすると優しくされる。

病気になることで

他者からの同情や愛情を

もらおうとしているのです。




病気が治ったら

気にかけてもらえなくなるので

治りません。


症状や痛みが消えては困る。

ずっと病気でいるしかない。



最初は

「大丈夫?」

と心配してくれていたけれど、

周りも慣れてきます。


「またか。」

となる。


もっと症状や痛みを出さないと

気にしてもらえません。



どんどんエスカレートするという

悪循環に陥ります。





このような方々にお会いしたとき、

わたしは

「今までたくさん傷ついてきたから、

体に症状を出して

『わたしを見て!』

と言っているんだな。」

と思います。



彼らの話は

聞いても楽しくならないので、

誰も寄り付きません。


気にしてほしいのに、

病気を訴えれば訴えるほど

人は離れていきます。


矛盾。




もしかしたら

ブログを読んでくださる方にも、

このような方が身近に

いらっしゃるかもしれません。



優しい心で

見てあげてください。

誰もかれも

傷ついているだけなのです。



体に症状を

出さなくてもいい日が来るように、

わたしは彼らの心に

寄り添っています。




精神科医 諸藤(モロフジ)えみりの心のレッスン

精神科医のわたしが日々の思ったこと、感じたことを書いています。

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