月経前不快気分障害(PMDD)をご存知ですか?



こんにちは、

精神科医の諸藤えみりです。



今回は女性向けの記事です。


月経前不快気分障害(PMDD)を

ご存知ですか?



月経前、

3~10日の間続く

精神的あるいは身体的症状で、

月経開始とともに

軽快ないし消失するものを

「月経前症候群(PMS)」

といいます。



その中でも

心の不安定さが

際立って強く出てしまう場合は

「月経前不快気分障害(PMDD)」

と診断されます。



わたしも生理前は

気持ちが落ち込みます。


しかし、

日常生活に支障が

出るほどではありません。



もし生理前に

感情が不安定になり、

学校や仕事を休まないといけない場合は

PMDDの可能性があります。





PMDDは

・感情の不安定さ(突然悲しくなる)

・イライラする

・気持ちが落ち込む

・不安、緊張


4症状が中心です。





さらに

集中困難感や倦怠感、食行動の変化、

睡眠障害も加わることで

社会活動や人間関係に支障が出ます。


原因や病態については

まだ明らかにはなっていません。


女性ホルモンの変動が

関わっているのではないか、

と言われています。




治療法として最も確立されているのは

薬物療法と

ホルモン治療になります。


第一選択薬は

抗うつ薬です。


「うつ病でもないのに飲むの?」

と思われるかもしれません。



そうなのです。


生理前の約2週間、

抗うつ薬を内服することで

気持ちの落ち込みやイライラが

改善されます。




わたしの外来には

PMDDの女性が何人も来られています。


あるお母さんは

生理前にイライラして

子どもに当たってしまうとのこと。

とても困っていました。



お話を聞き、

薬を飲んだ方がいいなと思った場合は

処方しています。


この方は

内服して楽になったと

言われていました。



いきなり抗うつ薬を内服することに

抵抗がある方は


・ホルモン療法

・漢方薬

・認知行動療法

・ハーブ

・生活改善

(精製糖や塩分、カフェインを避ける)


などの対処法もあります。


取り組みやすい方法から

試してもらえればと思います。




「生理周期に関連がある

精神症状で

日常・社会生活に支障をきたす。」



このような場合は

心療内科や精神科を受診しても

いいかもしれません。


できることをしても

改善がない場合、

「生理だから仕方がない。」

と思わず

受診してみてくださいね。




精神科医 諸藤(モロフジ)えみりの心のレッスン

精神科医のわたしが日々の思ったこと、感じたことを書いています。

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