できないことをできない、分からないことを分からないと言う
こんにちは、
精神科医の諸藤えみりです。
今日は
できないことを知られたくなくて、
必死に隠していた
過去のわたしの話です。
なぜできないことを隠すのか。
自分を大きく見せたいからです。
過去のブログで書いたように、
わたしは
「他人からどう見られているか。」
を最重要視していました。
能力が低いと思われたくありません。
たとえば。
診察室で、
患者さんから
わたしが詳しくない分野のことを
聞かれたとします。
「分かりません。」
と言えばいいのに、
言えません。
「まぁ、そうかもしれないですね。」
と、言葉を濁します。
ほかにも、
上司から振られた仕事を
できなかったとき。
「できませんでした、すみません。」
と、一言謝罪すればいいのに
「本当はできたんですけど
◯◯の影響で…」
と、言い訳を述べます。
知らないことを
知っているように見せる。
できないことを
できるように見せる。
「できません。」
と言うことは
相手を失望させるのではないか
と思い、
言えませんでした。
できない自分を隠し、
大きく見せようとします。
けれども
隠せば隠すほど
秘密は大きくなります。
バレるかもしれないと
怯える日々です。
欠点を隠すことにエネルギを使い、
疲弊しました。
疲れ果て、
自分を大きく見せるのを
やめました。
今は素直に
「できません。」
と言います。
どんなに取り繕っても
見抜かれます。
自分を隠している人には
違和感を感じるからです。
わたしの場合、
最初からダメダメな自分を
見せた方が楽です。
人から過度な期待を受けないので
のびのび仕事をできます。
それでもたまに、
自分をよく見せたい気持ちは
出てきます。
そんなときは
『こらこら、
また大きく見せようとしてますよ。』
と、自分で自分を戒めています。
「分かりません。」
「できません。」
を言える人の方が
強いのかもしれませんね。
自分を大きく見せない、
等身大の自分で堂々といるって、
簡単なようで難しいです。
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