他者を使って安心を得る人
こんにちは、
精神科医の諸藤えみりです。
外来をしていると
わたしで安心を得る方がいます。
なぜか。
心理的に自立していないからです。
外来に
不安そうな顔で訪れる
患者さんがいる。
「あれがああでこれがこうで心配。」
と言う。
わたしが
「でもそれはこうだから
大丈夫なんじゃないですかね?」
と返事をすると、
「そうですね!
ずっと不安だったんです!
安心しました!」
と言い帰る。
次来られたときも
同じ顔つきで
同じような内容を話す。
このような方は
自分で自分を
安心させることができない。
他人からの
「大丈夫。」
の言葉をもらって安心する。
しかし、
他人からの大丈夫の魔法は
解けるのが早い。
すぐに不安になる。
他人から安心感を求める。
なぜ自分に
安心感を与えることができないのか。
自分を信じれないから。
自分に自信がないから
毎回他者から正解を求める。
他者の一言に翻弄される。
どうすればいいかというと、
不安の中に身を置くこと。
「なぜ自分は不安なのか」
「どうなることが不安なのか」
を自問自答する。
考えて答えが出ないときは
不安をそのままにしておく。
いい香りを嗅いだり
好きな音楽を聞いたり、
五感を使って気をそらす。
身体を動かすことで
不安について
考えすぎないようにする。
不安は気持ちが悪い。
他者に救ってもらいたいと
安易に思う。
そうではなく、
不安の中で
自分のできることを見つける。
繰り返すことで
自分を信じられるようになる。
他者に依存していた心が自立する。
他人から得る言葉は儚い。
「不安を感じながらも
自分で対処できた。」
という経験が
自信につながる。
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