愚痴が始まった!!どうするわたし?!



こんにちは、

精神科医の諸藤えみりです。



外来中に患者さんの

愚痴が始まるときがあります。



愚痴が始まったときに

わたしが考えていること3つを

今日はお話します。





たとえばです。

会社に勤められている方が

外来に来られました。



部下が仕事ができない。

お客さんに失礼な態度を取る。

注意しても直さない。


上司に相談しても

仕事ができない部下の肩を持つ。



「困ってるんです。」

と、中間管理職の苦悩を

打ち明けられました。




わたしがこの方に

仕事で出世したいのかと聞くと、

そうではないようです。

そこまでの情熱はないそうです。


じゃあ私生活を充実させてはどうかと

提案しましたが、

やりたいこともない。




「むむむ…」

となりながら、

わたしは3つのケースを考えました。



①愚痴りたいだけ。


ただ愚痴りたい。

診察室という

安心の場所で

自分の気持ちを吐き出したい。



②患者さんに

他責的、他罰的な傾向がある。


他責的、他罰的だと

他人に厳しくなりすぎます。


患者さんの

考え方に偏りがあるだけで、

もしかしたら

部下の方に

問題はないのかもしれません。



③部下が本当に仕事ができない。


③の場合は

実際に職場を見ていないので

判断が難しいです。


本人の話、

職場の話、

両方聞いて実際の状況が分かります。


患者さんだけの話で

真実は分かりません。





②や③のケースだと

職場に支障が出るので、

会社の人が一緒に来院されることも

珍しくありません。


この方の場合、

上司の方が来られる様子もないので

①の「愚痴りたいだけ。」

と結論付けました。



①の場合、

患者さんに思う存分話してもらうことで

ご自身の考えを整理してもらいます。


そうすると、

次回来られたときに

「あの件、大丈夫になりました。」

と、ご自身で解決されていることが

少なくありません。



話を聞いてもらうことで

安心するのでしょうね。


安心するから視野が広がる。

問題が問題でなくなる。





患者さんの愚痴が

始まったとき、

わたしは

「本当に愚痴なのか、

本人のキャラの問題や

職場の問題が隠れていないか。」

を考えています。



どのケースになるかは

人によりますね。


②だったら本人へのアプローチ、

③なら職場の介入が必要です。




今日は外来中に

わたしが考えていることを

ご紹介しました。


「ふーん、

こんなこと考えながら

やってるんだ。」

と、思ってもらえれば

嬉しいです🥳






精神科医 諸藤(モロフジ)えみりの心のレッスン

精神科医のわたしが日々の思ったこと、感じたことを書いています。

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