やらせてあげることも愛
こんにちは、
精神科医の諸藤えみりです。
今日は
「人がやりたいことを
やらせてあげる」
の話をします。
なぜやらせてあげることが
大切なのか。
「〜してみたい」は
その人にとって
必要な経験だからです。
たとえばです。
わたしの母です。
わたしの母は60を超えています。
母は小さい頃から
実母(私から見て祖母)に
服を買い与えられていました。
最近は
わたしのお下がりのお洋服を
着ており、
自分で
お洋服を買ったことが
ありませんでした。
(欲しいと思う前に
与えられていたので、
欲しいと思わなかったとのこと。)
(そして60を超えて
わたしのお洋服を着こなすところは
尊敬している。)
近ごろ色気付き笑、
自分でお洋服を選んでいます。
人生初めてのお洋服選びです。
楽しんでいるようです。
が!!
ダサい!!
「なぜその組み合わせ?!」
というコーディネートをします。
トップスのフリフリと
ボトムのフリフリ、
せめてどちらかだけにしてほしい。
見ているこっちがダメージをうける。
わたしがコーディネートしたい。
でも、
母が「これどう?」と
聞いてこない限り、
口を出さないようにしています。
せっかく母が
「服を自分で選びたい。」
と思っているのだから
水をさしたくない。
わたしはこれまで、
「◯◯したい。」と言って、
母から止められたことは
ありませんでした。
たまに突拍子もないことも
言ってたと思うけど、
母は「分かった。」
としか言わなかった。
(祖母の方が厳しかった。
わたしのやることなすこと
反対していた。)
わたしも母の
「やりたい。」
を止めたくない。
応援したい。
外来に来てくださる方の
「やりたい。」
もわたしは止めません。
「絶対失敗するだろうな。」
ってときも
口を出さない。
危ないときは止めますが、
そうでないときは
本人の意志を尊重しています。
やりたいのならやらせてあげる。
失敗させてあげる。
失敗しないと
分からないこともある。
止めたくなるのは
相手をコントロールしたいから。
思い通りにしたいから。
止めるということは
相手の「~したい」という経験を
奪うことになります。
コントロールを手放し
相手を信じる。
たとえ失敗してもこの人は
大丈夫だと信じる。
これって愛なんですよ
って話でした!
余談
母がわたしに
コーディネートの意見を
求めてきたら、
ズバッと言います。
はい、それはもう
けちょんけちょんに!笑
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