​30点なら30点の働きを



こんにちは、

ドクターかよです。



患者さんが考えだした

「自分を乗りこなす方法」

がとても良かったので

シェアします。




うつ病で通院されている方がいます。

(特定されないよう配慮しています。)


症状は寛解し、今は落ち着いています。




以前は職を転々とする方でした。

しかし、

ここ数年はどっしり腰を構えて

働かれています。




私は何気なく聞いてみました。


「◯◯さんって、

以前はお仕事を

すぐに変えてたじゃないですか。

最近はずっと同じところで

働かれてますよね?

何か心境の変化があったのですか?」




彼は静かに教えてくれました。


「僕が通院し始めた頃、

よく先生が

『今の状態は

100点満点中何点ですか?』

って聞かれてたじゃないですか。


そこで始めて、

自分を客観的に見るってことを

知ったんです。


それまでは

自分が今どんな状態なのか

考えたことがなかった。


ただ『しんどい。』

『つらい。』

だけだった。


それ以降、

出勤前に

「今日の俺は何点だ?」

って自分で聞いてるんです。


60点とか70点ならいいですよ。


でも、

ときには30点の日だって

あるじゃないですか。


そんなときは

『今日は30点しかないから

30点分の働きをしよう。』

と思うんです。

無理をしない。


今までは

30点なのを分からず、

いつも80点の働きを

目指してました。


無茶すれば

何とかなるかもしれない。

でも、疲弊しました。


この働き方だと

次の日20点に減ってるんです。

20点でもまた無理をするから

続かないんですよ。」





彼は続けます。


「自分の状態で

物事の捉え方って変わるとも

気づいたんです。


60点なら気にならない

ムカつく上司の言動も、

30点だと

モロに受け取っちゃうんです。

自分に余裕がないから。


昔は受け流せなくて

すぐに転職してました。


でも、今は

『今日は俺が30点だから、

ネガティブに受け取ってるだけだ。』

と客観的に思える。

受け流せる。


いつもなら気にならないことに

ストレスを感じたら

疲れてるってこと。


休む。

立て直す。


調子がいい日も

悪い日もあるんだから、

自分を乗りこなして

いかなきゃいけないじゃないですか。


この方法で何とか働けてます。

先生のお陰っス!」





え、えぇーーーーーーー?!?!?!

私、そんな大層なこと

言ってない笑。



私は

彼の主観的な状態を知りたいから

点数で聞いていただけ。



彼は生活に取り入れ、

悪いときにこれ以上悪くならないよう

考えながらやっている。



いや、驚いた。

こんなカラクリがあったとは。



「こちらこそ

いいお話を聞かせてもらって

ありがとうございます。

参考になりました。

てか、真似します。」


「ウッス!」


2人で爆笑。




こういう話が出てくるから面白い。

やっぱりカウンセリングを

好きだと思う。



頑張りすぎて疲れちゃう人、

お試しあれ!




精神科医 諸藤(モロフジ)えみりの心のレッスン

精神科医のわたしが日々の思ったこと、感じたことを書いています。

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