禁煙、その後



こんにちは、

精神科医の諸藤えみりです。



今日から仕事復帰。

夏休み気分も吹き飛び

すっかり現実です。


リフレッシュできたので

また楽しく働けそうです。




先日、

患者さんの禁煙指導で

スパルタ鬼軍曹になりました。

↑こちらですね。


今日はその経過です!!





またお爺さんと散歩しました。


お爺さん、

モジモジしてます。


「先生ごめんな。

タバコ、2時間に1本は無理やった。」

と、謝られました。



「いやいや、

謝ることはないですよ。

チャレンジすることが

大事ですからね。」

と、私は慰めます。




ヘビースモーカーの方の

禁煙は難しい。


一度の挑戦で禁煙できたら

儲けものくらいに

考えていました。




お爺さん

「でもな、1日2箱吸ってるのが

1箱に減ったんよ。

1箱吸い終わったら

そこで終わりにしよんよ。」




「頑張ってるんじゃないですか!!


前は

1箱吸い終わったら

必ず買いに行ってましたよね?


なんで

我慢できてるんですか?」




お爺さんは言います。


「お金かなぁ。

2箱吸うと月3万円かかる。

1箱に減らすと月1.5 万円。


ぜんぜん違うんよ。

吸いたくなったら

お金のことを考えている。


でも、1番は

『タバコ減らさんと

ここまで協力してくれた先生に

顔向けできん!!』

って思ったことかな。


1箱吸い終わって

2箱目を買いに行きたくなったら、

先生との写真を見て

踏みとどまっている。


1人じゃ減らせんかったわ。

ありがとう。」





写真は

作業療法士の学生さんが

病院実習に来たときに

みんなで撮ったもの。


大事に取っておいてくれた。




彼の話を聞いて、

私は照れて

顔を背けてしまった。


この方は

人との繋がりの大切さを

いつも教えてくれる。



1人じゃできない。

でも、

応援してくれる誰かがいると

頑張れる。


私も一緒。



誰かの何気ない優しさが

背中を押してくれる。






恥ずかしい気持ちを誤魔化すように

私は彼に言う。


「この調子で禁煙しちゃいます?」



お爺さん

「あ、それは無理。」


「返事早くないです?

もうちょっと

悩んでもよくないですか?」




2人で顔を見合わせて

笑った。








精神科医 諸藤(モロフジ)えみりの心のレッスン

精神科医のわたしが日々の思ったこと、感じたことを書いています。

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