精神的な重し
こんにちは、
精神科医の諸藤えみりです。
「必ず誰かが見ていてくれる」
の記事を先日書きました。
誰かが精神的な支えになってくれると
踏ん張れます。
今日は
わたしが患者さんの重しになる
お話です。
外来に
アルコール依存症の方が
来られています。
(特定されないよう配慮しています。)
断酒しているのですが、
たまに飲みたくなるとのこと。
そのとき、
わたしの顔が脳裏に浮かぶようです。
「先生に怒られるからやめとこ。」
と、飲むのをやめれたと
教えてくれました。
『脳裏に浮かんだわたし、
鬼のような顔してたんだろうな…』
と一抹の不安はあるものの笑、
「ありがとうございます!
よく踏みとどまってくれました!」
と、感謝を伝えました。
10代の女の子の場合です。
(特定されないよう配慮しています。)
リストカットをしています。
リストカット以外の
ストレス発散方法を
探していました。
あるとき、
「リスカしようと思ったけど、
先生が悲しむからやめた。
ぬいぐるみをブンブンした。」
と、言われました。
これを聞いたときの
わたしの狂喜乱舞っぷりと言ったら
それはもう!
ぬいぐるみには悪いけど、
リストカットをしたくなったら
ぬいぐるみブンブン作戦でいこうと
約束しました。
「自分のことを思ってくれている。」
こう思えると、
その方が人生の重しになります。
ストッパーが働く。
もし
「自分の周りには誰もいない。
誰も気にかけてくれる人はいない。」
となると、
すべてがどうでもよくなります。
少なくとも
わたしだったら自暴自棄になります。
本当は、
自分の親に「重し」に
なってもらいたい方がほとんど。
でも、
親が重しにならなかった方もいる。
外来に来られる方は
そのような方が多いです。
わたしはその方々の親には
なれないけれど、
重しになれたらいいなと
思って日々診療しています。
わたしも、
誰かがわたしを
応援してくれていると思うと
頑張れるからです。
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